菅家さん「全然かかわっていません」(産経新聞)

【足利再審 テープ再生(6)】

 《法廷では、平成4年12月7日の取り調べ分のテープ再生が続いている》

 《当時の警察の取り調べの様子を話す菅家さんに、検事はいらだちを隠せないように“本当のこと”を聞き出そうとする。そして、菅家さんの否認が始まる》

森川検事「だから君の当時の説明は分かっている。それで、僕が今聞いているのは、本当はどうだったのかっていうことでね。聞いているんだ」

菅家さん「…」

森川検事「本当はどうだったのかっていうのはね、警察でどういう調べを受けたっていうことじゃなくてね。実際に事件はどうだったのかということなんだよ」

菅家さん「はあ…」

森川検事「いいかい。警察の調べでどんな調べを受けたっていうことじゃなくてね、実際の事件はどうだったのかということ。君がどうかかわっているのかね?かかわっていないのかね?そこを聞いているんだよ。分かる?」

菅家さん「分かります。話します。実はですね、(松田真実ちゃんがいなくなった)5月の12日ですよね、平成2年ですかね、その日、(勤務していた)幼稚園ですか、終わったのが1時半。それから11時ごろ終わりまして、それで1時半ごろ、うちに帰ってきました。そして、うちで、即席ラーメンですか、それを食べました。それから…確か2時半ごろでした。2時半ごろ…、(家を)出たと思います」

森川検事「2時半ごろ出た?」

菅家さん「はい。それであの、パチンコ屋さんですか、あそこへ寄っていくつもりでいたんです。この間警察では、やりましたと話しました。だけど、やっていないんです。あの時間(声を詰まらせる)」

 《再び足利事件について否認する菅家さん》

森川検事「それで?」

菅家さん「それで自分は2時半ごろ、うちを出まして、それでまっすぐ田中橋を渡りまして、食料品店に寄っていきました」

森川検事「あっそうなの。ふーん。それから?」

菅家さん「それから3時すぎに和泉町(の借家)に行きまして、窓を開けて掃除したわけです。じゅうたんとかベッドですか、ベッドの後ろとか掃いたんです」

森川検事「あっそう」

菅家さん「それで、5時すぎだと思うんですけど、明かりをつけまして。そうしますと大家さんの奥さんと思うんですが、毎日あそこを通るわけです。5時過ぎにはテレビをつけてずっと見てました」

森川検事「あー、それで」

菅家さん「それで、寝たのは11時すぎです」

森川検事「あ、そうなの」

菅家さん「次の日も10時ごろ(借家を)出ました。それから田中橋の東側なんですけども、あそこに人がいっぱいいました。それから(テレビの)中継車が土手の上にありました。それでどうしたんだろうと思いました。でも、そのまま(実家に)帰ったんです。何か渡良瀬川であったのかいと聞いたんですけど、事情が分かりません。これ本当の話です」

森川検事「ふーん」

菅家さん「(泣き声で)本当今までうそをついていてすみませんでした」

 《菅家さんが泣きながら足利事件について自分の無実を訴えるが、検事の質問は別の事件に移る》

森川検事「あれはどうなの?(福島)万弥ちゃん事件(別の女児殺害事件)、13年前の」

菅家さん「あれも全然関係ありません」

森川検事「うーん、あれは関係ないの?」

 菅家「はい、絶対にうそを言ってません」

 《泣きながら話す菅家さん。明確に事件を否認する菅家さんに、検事の問いかけは続く》

森川検事「それじゃ(長谷部)有美ちゃん事件(別の女児殺害事件)当日の行動は?」

菅家さん「大体分かると思います。新聞にも出ていましたけど。11月だったのは覚えているような気がします。曜日は分からないですが」

菅家さん「仕事が終わったのが1時半ごろで、それからバスの洗車に行きました。終わったのが4時ちょっと前で、4時10分に保育園に戻って、実家に行って、晩ご飯を食べないでいたと思います。それから自転車で借家に行きました」

森川検事「このときの保育園の行き帰りは?」

菅家さん「自転車を使ってみたり、バイクを使ってみたり」

森川検事「それで?」

菅家さん「食料品店に寄ったと思います。コーヒーを買ったのを覚えています。ポッカの缶コーヒーです。それから借家に着いたのが5時。電気をつけて、戸を開けて、掃除しました」

森川検事「それから?」

菅家さん「大家さんの奥さんにあいさつしました」

森川検事「それで、そのあとどうなった?」

菅家さん「少し戸を開けておいて、テレビを付けたり、夕食を食べながらテレビ見たり、ビデオ見たりしてました」

森川検事「借家からは出てないのかな?」

菅家さん「出てません」

森川検事「なるほど、うーん、真美ちゃん事件のときね、あれは5月12日だっけ?」

菅家さん「はい」

森川検事「このとき福居町の家にいったの?」

菅家さん「そうです」

森川検事「(大家さんに)会った?」

菅家さん「いや、その、会ったっていいますか、あのー、その日は」

森川検事「今、有美ちゃん事件から別のに戻るからね。真美ちゃんの事件、一番新しい事件だ。そのときは借家で誰かと会ったの?」

菅家さん「自分は…」

森川検事「会っていない?」

菅家さん「明かりをつけていて、掃除が終わりましたから、それで戸を閉めたと思います。それで、大家さんの奥さんですか、大体5時過ぎだと思うんですよね。自分の家の前の脇道毎日歩いてます」

森川検事「実際どうだったんだろうか、会ったんだろうか?」

菅家さん「12日ですか?あのときは…会わなかったきもします。見てないと思います」

森川検事「ふーん…あっそう。万弥ちゃん事件と有美ちゃん事件、そして真美ちゃん事件とね、3つの事件があるんだけど、君がどの事件にかかわっていて、どの事件にかかわっていないかい」

菅家さん「話していいですか?」

森川検事「あー」

菅家さん「全然かかわっていません」

森川検事「全然かかわっていないの?」

菅家さん「はい。絶対いえます」

森川検事「ああそう」

菅家さん「はい」

 《再度、きっぱりと否認する菅家さん。検事はうその自白への説明を求める》

森川検事「じゃあね、真美ちゃん事件については今裁判になっているわけど、君、裁判所では間違いないと認めたでしょ」

菅家さん「はい」

森川検事「それはなぜなの?」

菅家さん「やはり警察ですか、警察に行って調べられまして、夜遅くまで調べられまして、その1日は自分はやっていないと言ったんですよ」

森川検事「うん、うん、うん」

菅家さん「だけど全然認めてくれないんですよ(涙声)本当にやっていなかったのに。それで夜遅くなりましたから、これ以上10日も20日もやっていないと言うと殴るけるとかされると自分は恐怖の…」

森川検事「裁判は警察じゃなかったでしょ。拘置所に打ちされてたでしょ」

菅家さん「警察でも拘置所でも同じようなことされてたんです。分からなかったんです何も」

森川検事「万弥ちゃんはやってないと言ったでしょ」

菅家さん「自分はばかだから分からないですよ。何にも。弁護士の人には万弥ちゃん有美ちゃんですか、やっていないと言いました」

森川検事「真美ちゃんの事件は?」

菅家さん「自分はなんていうんですか。(涙声で)ばかだから本当分からないんですよ。警察とか、なんか弁護士とか同じように思っちゃたんですよね。何が何だか分からなくて。自分は全然分からないんですよ。法律のこととか」

森川検事「法律どうのこうのではなく、実際どうだったかを聞いていたと思うんだよね」

菅家さん「警察の人が裁判のときはちゃんと話すんだぞと言うから、そのまま自分は言ったんです」

森川検事「誰が言ったの」

菅家さん「誰かな…(取り調べをした)刑事さんだったと思います」

森川検事「いつだったか分かるかな」

菅家さん「1月だと思うんですよね。すみません。日にちはちょっと忘れてしまいました」

森川検事「いいよ。で、君は、警察では真美ちゃんの事件だけでなくて、万弥ちゃん、有美ちゃんの事件もやりましたと説明したでしょ。僕にも説明したよね。裁判になったら、真美ちゃんの事件だけ認めたでしょ。で、万弥ちゃんと有美ちゃんの事件も弁護士から聞かれなかったか?『やってません』と言った覚えない?」

菅家さん「『真実ちゃん以外を自転車に乗せたことはありますか』と聞かれましたような気がします」

森川検事「そうだね」

 《法廷でも自白していた真実ちゃん事件の否認。検事はこの後、菅家さんの真意を探ろうと、過去の供述や自白の内容に話を向けていく》

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